海外留学が自由化されていなかった1964年、外務省自費留学試験を受け、100ドルを懐に米国留学、帰路、スポンサーも付けず、米国で稼いだ自費3,000ドルを元手に『日本で最初の世界一周』ライダーの実話
※大迫さんが自費で世界一周したのは最初らしいですが証明するものはありません。
大迫嘉昭(おおさこよしあき)
1939年 兵庫県神戸市生まれ
1962年 関西大学法学部卒業、電鉄系旅行社入社
1964年 外務省私費留学試験合格、米国ウッドベリー大学留学
1968年 アメリカ大陸横断(ロサンゼルス・ニューヨーク)、ヨーロッパ、中近東、アジアへとバイクで世界一周
1970年 バイクでアメリカ大陸横断(ニュ—ヨーク・ロサンゼルス)
1969〜2004年 ヨーロッパ系航空会社、米国系航空会社、米国系バンク勤務
『「My Oldies in California & Around the world on motorcycle in 1968
(人生は20代の生き方で決まる)
(3)
成績の悪いオレは中学生時代、担任教師から屈辱的な無視されるという耐え難いいじめにあった。それ以後、学生時代の学業に全く身が入らなくなった。
当時の小中高の教師は一般社会外と切断された狭い教室の世界しか知らないのがほとんどで、日々の交流相手は同僚教師と社会を知らない子供たちだった。父兄からは先生と尊敬され、教科書から抜き取ったような、きれいごとしか言わない世間知らずの教師が多かった。今はモンスター・ピアレンツなる父兄もおり教師も少しは変わったと言われている。
父は洋服仕立業を営み、オレたち5人兄弟の教育には熱心だった。成績の悪い長男のオレは大学を出ないと良い会社に入れないと、いつも口酸っぱく言われ、仕方なく自分の学力で入れる大学へやっと合格した。
大学に入っても勉強する気は起らなかった。学校に行く振りして家は出るが、授業をさぼり駅近くのパチンコ屋へ入り浸り、閉店を知らせる「ホタルの光」の曲に追い出され帰路に就く日々が多かった。
パチンコする金がない時は、当時、人気のあったファインティング原田の影響もあり、ボクシング・ジムへ行き時間つぶし、拳だけは鍛えていた。たまに試合に出ると顔面は腫れあがり、周りの者には又喧嘩したのかと皮肉を言われたが、喧嘩はしたことはなかった。
ある日、ジムにヤクザまがいの奴が入ってきた。一周間ほど基礎練習と縄跳びをさせていたら、スパ―リングさせろと強硬に言うが、相手が相手なのでジムの練習生は皆丁寧に断っていた。あまりにもしつこいので「恨みっこなしですよ」と断って、オレはこれ幸いと大きなグローブでたたきのばしてやったら、翌日から来なくなった。その後、繁華街をうろついていると、その手の者が数人近づいて来たのでやばいと思い、逃げようとしたら、丁寧にあいさつされオレの方がびっくりした。
大学の夏冬の休暇中は唯々、パチンコや遊ぶ金欲しさに、デパートや郵便局でバイトに精を出していたのが唯一の思い出のような生活だった。いや、ただ一度だけ、誰が誘ったか思い出せないが学友三人で、富士登山したことがあった。当時、五合目まではバスもなく徒歩で登った。六合目?で台風に会い、山小屋に丸二日間閉じ込められた。登山季節も終わっていたのか、今のように富士登山がブームでなかったのか泊り客もオレたちだけで、薄暗い山小屋の湿りっ気を含んだ布団の中で甲子園の高校野球の決勝戦を携帯ラジオ聴いていたのを思い出した。
大学卒業近くになり、ゼミの教授に単位が足らず留年を告げられ、バナナ持参(当時バナナは高級高価な果物で、確か、一房約200円、今の価格に直すと約2,000円)で、教授宅前でオレを知っているヤツがいないかキョロキョロ周りを見て、さっと門を潜り、深々と畳に頭を擦りつけ、やっとお情けで卒業できた。
1962(昭和37)年大学を卒業するも、就職も決まらず親父の知人のコネで、やっと大阪の旅行会社に就職、初任給は18,000円だった。入社すると、一流大学卒の同僚は先輩社員に同行し、得意先を回り営業を学んでいた。オレは業務渡航者のビザ申請書類を作成、日に二回、午前と午後、業務渡航者のビザの申請取得のため神戸の領事館へ行きと、業務渡航者の予防注射接種に検疫所まで連れて行くなど、営業課のサポート的雑用が主な仕事だった。
同期の連中の希望に満ちた働きぶりを観ているうちに、実力ではなくコネで就職したことが劣等感となり苦しみ、こんな誰でもできる簡単な仕事を毎日していると、情けなく、虚しさ、屈辱感にさいなまれていった。将来に対する夢など全くない、何のため会社勤めしているかもわからず、入社一年目から絵にかいたような灰色の会社勤めであった。(つづく)』
引用元:https://www.facebook.com/osako.yoshiaki
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